雑木林の家
- 所在地:大分県玖珠町
- 構造:木造
- 竣工:2011年12
2012年 大分県主催 第27回豊の国木造住宅賞(リフォーム部門) 協賛賞
設計概要
施主の生まれ育った実家は昔造り酒屋だった、今は倉庫となっている酒室蔵の一部を改修して、ステンドグラスの工房付きの住宅を造りたいとお話をいただいた。
初めて伺ったのは、2010年11月、広い敷地内の雑木林の楓が真赤に色付いていてすごくきれいだった、そしてこのプロジェクトの呼び名が雑木林の家となった。
既存建物の外壁、屋根やロフト部分は痛みが激しく、既存構造体への重量を抑える為に、軽量なガルバリューム鋼板の屋根や外壁に取替えた、既存外壁の腰部分に積まれていたレンガの壁はそのままの状態で残し、南側の一部は室内にも現しとし、撒きストーブの背面の耐火壁として利用した。
既存屋根の木造トラスはそのまま残し着色して吹き抜け天井に現しとした。
県下でも一番寒い地域なので、既存の壁にも吹き込み可能で気密性が高く断熱性能が期待できるセルロースファイバーの断熱材を選択し、天井や壁にしっかり吹き込んだ、床はポリスチレンフォームの断熱材を既存の土間の上に敷き込み無垢フローリング張りとした。
内装仕上げは無垢材の着色仕上げと珪藻土の白い壁、既存レンガの赤茶の色に、キッチン腰壁には大谷石を張り、自然の中に溶け込んだ天然素材の香り漂う家に生まれ変わった。
追記
今回の計画終了後、実家のお兄様が酒室蔵の残りの部分を改修され、味噌の工房を造られ、室内にはピザ釜も設置され建物全体が新しい用途に生まれ変わりました、アプローチ側の雑木林と一体化した楽しい空間になることを期待したい。